例外は前例となり、規定事項になる
前回、会社における前例について書きました。
前例というのはパワーがあるのです。だからこそ、前例を作るときは慎重につくらなければいけません。最初から柔軟に、変化に対応できるようにしなければいけないのかも。
いつのまにかできる前例
前例が意図的につくられるのであれば、そのときに注意すればいいのですが、問題になるのは、いつのまにかできる前例です。
誰も深く考えずに最初のルールが決まったばかりに、それが前例となり続いていくパターンです。 誰も深く考えていないので、その場しのぎだったり、誰かに懇意的な内容であったりして、問題がある場合が多くなります。いつのまにかできる前例こそ危ないです。
よくあるのが、『例外』から『前例』になるパターン。ある偉い人がわがままを言って、担当者が仕方なく、 「これは例外ですよ」 とあるルールを決めてしまいます。本来であれば、会社の利益を考えてルールを決めなければならないのに、偉い人の一声で例外を認めてしまうことがあります。
その偉い人は自分のわがままを聞いてもらえるので、もちろん文句は言いません。担当者は、偉い人に頭をなでてもらえるし、あくまで『例外』ですから、責任を問われることもありません。ちょっとの罪悪感も、「これは例外例外」と自分に言い聞かせ、納得します。
そして時は過ぎ、その偉い人は定年退職、担当者は部署に移ってしまいます。しかし、その『例外』は存在し続けます。そのときにまだ『例外』扱いならまだいいのですが、『前例』となっていることがよくあります。
いつの間にか特別な例外が、当たり前の前例になってしまうのです。 だってこれは前例だから そうなると、その前例を覆すことは難しくなります。公認の担当者が責任感をもってその是正を訴えても、そのメリットを享受している人たちは、抵抗勢力となり反抗し続けます。
「だってこれは前例だから。」
そう言われれば、新しい担当者はなかなか強くはでられません。そうしてさらに時は過ぎ、その前例を覆そうとする人はいなくなります。例外は前例となり、既定事項となります。
例外をつくる場合は慎重に
だから、例外を作るときは慎重にならなければいけません。その規定事項の不公平さ、おろかさにか誰かが気づいたときに、退職していればいいのですが、会社のどこかにいると大変です。
「この例外を認めたのは誰だ!」→「○○さんです。」
とならないように、例外を期限付きにするか、その証拠を残さないようにしなければいけませんね。