「自分の会社の常識=世間の常識」と信じている人がいる
会社もいろいろ、常識もいろいろ
自分は人より少しだけ多く転職している。また、他の会社に滞在することもあるので複数の職場を経験している。いろいろな職場に行って思うことは、「会社もいろいろ、常識もいろいろ」ということだ。
ある会社の常識が違う会社の非常識になり、前の会社の常識を持って転職すると、他の会社では非常識な人になってしまう。
結局、その常識が本当に常識かどうかもよくわからなくなる。常識というのは、ある限られた世界でのものなのだ。それを覚えておかないと、転職したときに痛い目にあう。
たとえば冠婚葬祭の常識
たとえば、冠婚葬祭。ある会社はドライな会社で、冠婚葬祭での社員間のお金のやり取りはほとんどなかった。結婚したときに、社員で数千円集めてプレゼントを贈る程度。無駄なやり取りがないのでおおむね好評だった。
しかし、ある会社は冠婚葬祭はもちろん、異動・転勤などにもお金をやり取りする会社だった。そんな会社だから、他の社員の動向を逐一チェックしてなければいけない。もし、その情報を得るのが遅れると、お金を渡せない=非常識な社員となってしまうのだ。
冠婚葬祭のやり取りがほとんどない会社に新卒で入り長く勤務していたとしたら、やり取りが多い会社に入ると違和感を感じるだろう。「そこまでやらなくても・・・」と思うかもしれない。
しかし、そこは新しく入った会社の常識に従わなくてはならない。それが所謂「郷に入っては郷に従え」ということなのだ。
必ずいるタイプの人
確かに、転職者は新しい職場に馴染むために、ある程度の努力は必要だ。少し「おかしいな…」と思ったとしても、そこのルールに従わなくてはいけない。
ただ、そんな転職者にとって面倒なタイプの人がいる。転職して新しい職場に行くと必ずいるのだ。それは自分の経験上、ほぼ100%に近い。
それはどんな人かというと、「自分の会社の常識=世間の常識」と信じている人だ。
自分の会社の常識=世間の常識
そのタイプの人は、その職場で長く働いている。長く働いているのだから、当たり前のようにその職場の仕事に詳しく、社内人脈もある。
仕事ができるかというとそれはどちらともいえない。できる人もいれば、できない人もいる。ただ、共通しているのは、仕事を自分でコントロールできているということだ。それなりの役職にもなっているので、権限や裁量を認められている。
その人は、自分の「会社の常識=世間の常識」と信じている。だから、「自分の会社の常識を守れない人=社会人としてなってない人」と判断する。
その常識は、世間の常識とイコールかもしれない。ただ、外の世界から来た人から見ると、ちょっと変わっていたり、非効率だったりすることもあるのに。
仕事のやり方も
仕事のやり方でも一緒です。その人は、現在の仕事のやり方が一番常識的だと思っている。だから、新人や転職者が入ってきたら、その仕事のやり方を強要する。
その社内でしか通用しない仕事のやり方や常識を、「社会の常識」、「社会人として当たり前のこと」というように信じている。そして、異なる考え方を理解しようとはしない。
そして、「自分は仕事ができ、他のやつは使えない。」「新しく入ってきたやつは使えない」と思っているのか、尊大な態度で他の人に指示をしたり、注意をする。
そうなると、新人や転職者はうんざりしてしまうわけです。
新しい血を受け入れる器
最初にも書いたとおり、新人や転職者はある程度、自分が働き始めた会社の常識に従う必要がある。それが例えおかしくて非効率だったとしても。
しかし、その常識を絶対的な常識だと信じ、それに従わない新入社員や転職者を「できない」と判断する先輩や上司は、見識が狭いといわざるを得ない。そしてそれは、器の小ささを露呈しているのである。
せっかく新しい血が入ってきたのだから、その常識の違いを一度は受け入れるくらいの器の大きさがほしい。
「自社の常識はもしかすると世間の非常識かもしれない。」と一度は考えてみることが必要なのではないか。
そうすれば、態度の気に食わない新入社員や転職者にも優しくなれるかもしれない。