総務・経理などの間接部門は定時退社してはいけないのか?
先日飲みに行った女性との話題。
その女性は、経理として会社で働いている。会社には総務・経理部合わせて10名程度の社員が所属しており、その会社の間接部門を担っていた。
昨年の4月に部長の交代があり、若い部長となったとのこと。
その部長は若くして部長になるくらい、とても優秀だったらしい。そしてやる気に満ちていたそうだ。
その会社では、ほかの会社と同じようにトレンドとなっていた「働き方改革」をすすめることを社長が決めたようだ。
若い部長は、総務部の役割のひとつとして、「働き方改革を率先して行う」という目標を掲げた。
そして、自分が管理する総務部・経理部の業務効率化を始めた。
総務部や経理部といった間接部門は、改善の余地が多いといわれる。
特に地方の中小企業は、従来通りの業務方法にこだわるあまり、効率化がされていないとも言われている。
その会社にも改善の余地が多かったようで、ICTの導入やアウトソーシングによって業務効率が劇的に改善したらしい。
それまでは繁忙期には残業していたのに、ほとんどノー残業で仕事が回るようになった。
その結果を見て、当初はその会社の社長をはじめとする役員も「これは素晴らしい先行事例だ。」とほめていたそうだ。
その友人も、どうしても終わらず残業していたのが、全く残業しなくてもよくなったのでよろこんでいた。
しかし、ある同僚の一言で傷ついたそうだ。
同じ時期に入社した女性社員同士の飲み会で、同僚にこう言われたのだ。
「営業部は毎日残業だよ。総務部と経理部は、早く帰れて楽でいいねえ~~ 稼いでないのに。」
自分も昔、間接部門に属していたことがあるが、実はこの手の発言はよく聞いた。
要は、総務部や経理部は稼がなくていいから→客の無理を聞かなくていいから、楽でいいわねというわけである。
この発言を聞いた友人は偉く傷ついたそうだ。
「自分は確かに会社の売り上げをあげているわけじゃないけど、社内のサポートをすることによって、間接的に売り上げに貢献してきたじゃないか。」と。
営業や製造などのいわゆる生産部門と、総務や経理などの間接部門の関係は難しい。
特に、生産部門より間接部門が優遇されたり、褒められたりすると、その関係はたちまち悪化することが多い。
生産部門と間接部門の関係が同等、もしくは生産部門が上の場合は、こういった問題が起こりにくい。
だけど、間接部門が少しでも上になったとたん、生産部門はこういいだすのだ。
「俺たちが稼いだお金で何やってるの」
面と向かって言わないけど、裏にはこれが隠されていたりする。
今回の、「稼いでないのに。」発言も、こういった考えが根底になっているように思う。
友人の職場でも、働き方改革を率先してきた間接部門だったが、何となく社内の見方が称賛から嫉妬に代わってきたようだ。
最終的には、「定時で帰れるくらいなら人員を生産部隊に回そうか」という話になってしまい、友人が愚痴っていたというわけ。
本来、間接部門というのは生産部門をサポートすることによって、全社的な売り上げを最大化しているわけです。
売り上げが0なわけではなく、社内の生産部門を顧客として間接的に生産を行っているんですよね。
なので、今回の例でいうと働き方改革によって効率化できたのは、残業代の削減につながり、全社的にはよいことのはずだ。
でも、その効率化の結果、残業が全くなくなってしまったのが嫉妬の対象となってしまった。
生産部門と間接部門の関係って難しいなと思うのと、間接部門の働き方改革はもっと難しいと思ったという話でした。
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